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実は「違法」より怖いのですぞ 

ども、飯田橋です。

たまには、リネでも競馬でもない話題を。

今世の中には「危険ドラッグ」なるものが蔓延しています。
以前は「合法ドラッグ」とか、「脱法ハーブ」なんて名前で呼ばれていましたが、その危険性が叫ばれる中で名前が変わりました。

これ、実はとてつもなく恐ろしいものだという認識があまりにも薄いというのが一番の問題です。

先日、どこのニュースで見たのか忘れてしまったのですが、関関同立(関西の名門私立大学4つを略している)の学生に質問したところ、6%ぐらいの学生が「自己責任なら、危険ドラッグをやってもいいんじゃね?」という回答をしたそうです。

お前ら、全然わかってねーなw
はっきり言って、覚せい剤や大麻のほうがよっぽどマシなぐらい危険だってことを・・・
「違法じゃないから、違法なドラッグより安全とかマイルド」なんて考えは完全に間違いです。

では、どう危ないかってのを少し解説していくことにします。

まあ、大学でこのテの学問をちょこっとやっていましたので、そこら辺にいる人よりはるかに知識はあります。
(というか、これで学位取ってるからちょこっとじゃすまないなw)

まず、危険ドラッグとは何者か?

世の中にはいろいろな違法薬物があります。覚せい剤、大麻、LSD、MDMAなどなど。
これらは化学構造がわかっているため、これらの化学構造を少しだけ変えたものが次々と作られています。
また、神経伝達物質であるドーパミンやセロトニンも化学構造はわかっていますから、これとちょっと違うものも当然作られています。
(ドーパミンやセロトニン自体は麻薬としての効果が薄いため、これらを手本にして適当に構造を変え、より強力で簡単に作れるやつを作っているのです。)
そういったものを化学的に作り出して、いろいろな葉っぱ(例えばお茶とか一般的なハーブや香辛料的なもの?)に混ぜたものが危険ドラッグです。

特定の化学構造のものは製造したり持っていると違法として処罰されますが、少しでも違ってしまえば違法にならない、そうやって生まれたのがこれら危険ドラッグです。
そこで常々言われることですが、似たような化学構造の物質全部を取り締まれないか?ということです。
化学者の立場から言うと、これをやられると非常に困ってしまいます。
研究の途中で作ることもあると思いますが、それで逮捕されたらたまったもんじゃありません。
また、新しい医薬品を作る過程で問題になってしまえば、日本どころか世界中で不利益をこうむることになります。
(実際には、研究の過程で指定薬物の構造を持つものを作っても違法にはならないけど、医薬品のように工場で作るレベルになるとアウトになることもある)

昔、私が学生のころ、化学構造の順番に並んでいる試薬カタログを見ていた後輩が、「なんでこいつとこいつはリストにないんですか」と聞かれたので、「それは覚せい剤(アンフェタミンとメタンフェタミン)だから売ってないのだよ」と答えたことがあります。
つまり、覚せい剤と構造が似た試薬は普通に(といっても研究室レベルでの普通だから、専門の業者じゃないと売ってない)買えるんです。

では、何が危険なのか?

危険ドラッグの一番の問題点は、「危険性がよくわかっていないこと」にあります。
新しい構造の薬物(有機化学物質)は、今はデータベースがしっかりしていますから、ちょっと検索をかければすぐに作ることができます。
おそらく、大学生~大学院生レベルであればすぐにできるでしょう。
私も、大学の実験室レベルの設備(企業と比べると超ショボイ)と材料さえあれば、バケツ1杯分の危険ドラッグなんて簡単に作れます。

そういったものは当然動物実験なんかするわけないので、どのような効果がどのくらいの薬物量で出るのかなんてわかりません。
ほとんど効果がないといったこともあるでしょうし、いきなり死んでしまうこともあるでしょう。
また、使用直後に出る効果のほかに、習慣性や後遺症といった「あとから出る効果」なんてものは一切わかりません。
覚せい剤や大麻などではかなり研究が進んでいるので、それらの効き目についてはかなり知られています。
そのため、これらのほうがまだまし、と最初に書いたわけです。
危険ドラッグを買った本人が自ら実験動物となっているわけです。

また、これら危険ドラッグ類を作製する技術を持つ私からすると、簡単に安く大量に作れるというのはさらに大きな問題です。
覚せい剤なんてのは意外と作るのが大変ですし、原料を手に入れるのも結構難しいのですが、危険ドラッグの原料になるものはあまりにも基本的な試薬ばかりなので、これらを買うのが大変になってしまうと研究できません。
作る技術も大したものは必要なく、ちょっとした心がけ(実験やるなら当たり前のレベル)だけで簡単に大量に作れます。
安全指導してきちんと見張っていれば、中学生でも作れるレベルです。
なので、危険ドラッグは安く買えてしまうんですね。
別に、値段が安いから効果が薄い、危険性が低いなんてことではないのです。単に原材料費が安いから。

ということで、ここを見る人でそんなものに手を出す人はいないと思いますが、何があっても絶対に危険ドラッグに手を出すのはやめましょう。

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